ニャーヌッタラ大長老の説法
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お布施について(第5回)

2017(平成29)年8月12日 午前7時30分
於 淨心庵精舎瞑想堂

お釈迦さまは、一切智慧、ブッダに成る原因を観察・洞察するとき、

dānaṁ va ādiṁ katvā, sambodhiṁca labhanti te

と、説かれました。

このパーリ偈文の意味は、次の通りです。

「昔々の仏陀たちは、布施をはじめとして、戒律、出家、慈悲、智慧、忍耐などを実践しながら、ブッダの智慧、一切智慧を得られました」

お釈迦さまは菩薩であったとき、ブッダの智慧、一切智慧を得て、涅槃へ至るために何を行うのが一番善いかと観察・洞察したとき、「ダーナ(布施)」を智慧で最初に観ました。布施に基づいて、布施の功徳を最初に実践しながら、そのほかの戒律、出家、慈悲、智慧、忍耐などを実践されました。

このようにお釈迦さまは、菩薩であった時期に、ブッダに成るために、一切智慧を得るために、「dāna pāramī(布施の波羅蜜)」を最初に実践しました。

輪廻解脱、涅槃を目指して、自分の身・口・意の行為を、昔から行われている聖者たちの淨らかな行為のように行うことを「波羅蜜」といいます。

布施の功徳は、昔々の聖者たちの行った功徳ですので、私たちも行うべきです。

このように布施の波羅蜜は深い行いですので、布施について正しく、はっきりとよく理解して、自分のできる布施を、信じる力とヴィパッサナー智慧を備えて行ってください、とセヤードーは話したい。

2017年11月3日(金)ウポサタの日、日本上座仏教修道会創立以来、初めて淨心庵において、安居明けの比丘サンガに”特別な衣“を供養する「カティナシーワラダーナ」のお祝い儀式が実現いたしました。

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